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番外編どっちが子どもなんだかわからないね
「私をどうするつもりですか?福光さんに売るんですか?それとも椎根さんに売るんですか?」
「売るわけないだろ?上田と石山と一緒にするな。やっぱり椎根を知っていたのか?」
「同業者ですからね、当たり前です」
「椎根はサツに追われているからな、滅多なことでは姿を見せない。入社して間もないお前さんが椎根金融のことを知っていてもなんらおかしくないが、社長は椎根とは違う男だ。なのになぜ椎根を知っているんだ?」
多勢に無勢。圧倒的に不利な状況にも関わらず余裕の笑みを浮かべる森下さん。伊澤さんに質問攻めにされても全く動じなかった。
「新幹線に乗り遅れますのでそろそろ失礼します」
軽く頭を下げるとそそくさと歩き出した。
「まるで道化師だな。こちら側の様子を見るために小心翼翼の男を演じていたんだろう。ねえさんには女を演じて見せた。地竜と覃と宋の情報をねえさんから聞きだそうとしたんだろうがそうは問屋はおろさない。ナオの知り合いなのは分かるがいい気になるなよ」
根岸さんが険しい表情で腕を前で組み森下さんの背中をじろりと睨み付けた。
「昔の森下さんは小さい子たちにとても優しくて、率先して面倒をみていたから子どもたちからとても慕われていたんだ。どこで道を違えたんだろう」
ナオさんが寂しそうに呟いた。
「ご、ごめんなさい。信孝さんの前で森下さんの話しをするなんて、どうかしている」
ー俺のことは気にしなくていいよ。俺もいい加減大人にならないとな」
信孝さんと目が合うなり頬を染めて下を向くナオさん。
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