3297 / 3565
番外編どっちが子どもなんだかわからないね
「手伝う。ままたんもここで寝るんでしょ?どこで寝るの?ゆうき、ままたんとぱぱたんと一緒がいい。ダメ?」
目を潤ませて橘さんを見上げた。
「ダメではありませんよ。いつでも廊下に出れるように襖の近くにある布団で寝ましょう」
「分かった。ゆうき、取っておくね」
顔を綻ばせると真っ先にそこへ向かった。
「こういうときでしか橘と柚原を独り占め出来ないからな。てっきり取り合いになるかと思っていたが……なんか拍子抜けしたな」
「一太と奏音が譲ったんだよ。一太には兄貴と地竜がいるし、奏音には蜂谷と青空がいる。兄貴と俺、めぐみと幸にいつも遠慮して自分の気持ちを表に出さないから、どう甘えていいか分からない」
信孝さんが彼の袖をつんつんと引っ張った。
「突っ立っていないで座ったら?ナオ、未知、子どもたちのことは俺たちに任せて先に寝ていいぞ」
「分かった。未知さん行こう」
ナオさんに促され一緒に寝室に戻った。
「地竜さんに卯月さんを取られてなるもんかって躍起になっている信孝さん。なんか可愛いかも」
ププッと思い出し笑いをするナオさん。
「焼きもちを妬かないって言っていたのに。もう焼きもちを妬いてるし」
「焼きもちを妬いてもらったほうががぜんやる気になるがな」
「そうだよね。え?」
ぎくっとして布団をそっと捲るナオさん。晴くんと未来くんに添い寝する地竜さんがいたから腰を抜かさんばかりに驚いていた。
ともだちにシェアしよう!