3299 / 3571

番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「でもほら、男心と秋の空ってよくいいますし」 「男心と秋の空?」 意味がいまいち分からないのか首を傾げる地竜さん。そのとき晴くんの手がゴソゴソと動いた。遥香みたく晴くんもタグを探しているみたいだった。脇腹のあたりをぺたぺたと触られてくすぐったくないのかな?地竜さんは平然としていた。 「くすぐったいがこれくらいは我慢出来る。そういえば凪も碧人もタグが好きだったな。子どもはみんなタグが好きなのか?」 「未来は袖を吸うのが好きみたい。シャツのボタンを外すと左右に分かれるでしょ?いつかボタンを誤飲しないかヒヤヒヤしているだけど」 ナオさんに言われ、何気に未来くんを見る地竜さん。 「どうりで大人しいわけだ。誤飲に気を付けないとな。ナオ、教えてくれてありがとう。教えてもらわなかったら分からなかった。それにしても可愛いな」 地竜さんの表情が和らいだ。 陽葵を寝かし付けながらうとうとしていたら、 「地竜さん、変なことを聞いてもいいですか?」 ナオさんの声が聞こえてきた。 「藪から棒にどうした?答えられる範囲でなら何でも聞いていいぞ」 「なんで未知さんだったんですか?男女問わずきれいなひと、まわりにいたのに。なんでかなってずっと不思議だったんです。危険を顧みず命をかけて未知さんを守って、とことん尽くして、そしてただ、ただ、、一途に愛して……どんなに未知さんを愛しても決して報われることがないに……あ、ご、ごめんなさい。忘れてください」

ともだちにシェアしよう!