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番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「今日の友が明日には敵になっているかもしれない。誰も信用できない。疑心暗鬼になり、死と常に隣り合わせで生きるだけで精一杯の毎日だった。そんなときに未知に出会った。深く濃い霧が一瞬で晴れて青く澄んだ空が俺の心に広がっていった。年甲斐もなく未知に一目惚れしてしまった。未知のそばにいれるだけで幸せだし、生きていることを実感することが出来る。未知の笑顔を見れば疲れが一瞬で吹き飛ぶ。それに……」 「まだあるんですか?」 ナオさんが困ったように苦笑いを浮かべた。 「まだまだある。どれだけ話しても、全然話し足りない」 「本当に未知さんが好きなんですね」 「当たり前だ」 聞いているのが恥ずかしくて。このまま寝たふりをしようと思ったけど、地竜さんにはバレバレだった。 「好きだ、愛している。何度言っても言い足りないくらい未知を愛している。ナオ、このくらいで勘弁してくれ。未知がますますゆでたこになってしまう。ただでさえ睡眠不足なのに寝れなくなってしまう」 地竜さんに言われて、ナオさんは僕がまだ起きていることにようやく気付いたみたいで、未知ごめんねって謝ってくれた。 「お呼びじゃないのは分かっている。なんで来たんだ、何しに来やがった。塩対応され門前払いにされると覚悟をして未知に会いに来たが、未知や子どもたちみんなが俺を歓迎してくれた。一太もハルちゃんも奏音もたいくんにここちゃんもみんな可愛くて仕方がない。目に入れても痛くない。晴も未来もお帰りって言ってくれたし」 ふたりのあどけない寝顔を眺める地竜さんの眼差しは慈しみに溢れていた。

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