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番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「みんな忙しいからこういう時でもないとじっくりと話しができないだろ?だからついつい夢中になってしまった」 「それは分かるが風邪をひいたらもともこうもないだろ。こんなに冷えて。もうちょいこっちさ来い。本当に世話が焼ける男だ」 肩まで布団を掛けてあげたりと甲斐甲斐しく世話をする彼。当然ながら信孝さんは面白くない。 「また、焼きもち妬き合戦?ほんと好きだよね」 ナオさんの声が聞こえてきたからどきっとした。そっと顔を見ると、すやすやと穏やかな寝息を立てて熟睡していた。 「寝言で良かった」 子供たちが寝ている布団から抜け出して彼の布団に潜り込もうとしていた信孝さん。ギクッとして一瞬動きが止まった。 「この前の花火と今回の火事は関連がある。そして仙台での事件も。紫竜はまだ国内に潜伏しているんじゃないのか?」 「公安がサツの威信をかけて大規模な包囲網を国際空港と国際港に網の目のように敷いて睨みをきかせているが、ヤツならなんなく突破出来る。にも関わらず国内にとどまっているということは他に目的がある、ということだろう。関わらない方が身のためだ」 その時ヒョーヒョーと口笛に似た鳴き声がどこからか聞こえてきた。 「トラツグミか、このあたりで鳴き声が聞こえるなんて珍しいな」 地竜さんがふと呟いた。 「それだけ自然が豊かだということだろ?十分も歩けば田んぼしかないからな」 「田んぼを見ると実家に帰ってきたって安心するんだ」 「いつからここがお前の実家になったんだよ」 黙って彼と地竜さんの会話を聞いていた信孝さんがくすりと笑った。

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