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番外編どっちが子どもなんだかわからないね
「度会さんと紫さんにいつでも帰ってこいと言われた。未知がいるところが俺の帰る場所だ」
「心が海よりも広いオヤジで良かったな。理解があるやさしいオヤジで良かったな」
「信孝の嫌味も今では心地いい響きに聞こえる」
「あのな地竜……」
地竜さんが相手だとどうも調子が狂う信孝さん。やれやれとため息をついていた。
熟睡している彼やみんなを起こさないように急いで陽葵のオムツを交換して、そっと寝室から廊下に出たら、
「ねえさんどこへ?」
青空さんに声を掛けられた。
「みんなのことを起こすと悪いので、台所に行こうかなって」
「じゃあ、俺もついていきます。あ、でも覗き見の趣味はないので終わるまでちゃんと外で待ってますから。そこは安心してください」
「はい」思わず笑みが溢れた。青空さんのお陰で眠気覚ましになったかも知れない。陽葵を抱っこして一緒に台所へ向かった。
「寒くないですか?」
「大丈夫です」
朝の四時前、さすがに誰もいないだろうと思ってドアを開けたら、明かりが煌々とついていたから驚いた。
「あ、あの、陽葵におっぱいをあげようかなって思って。すみません。邪魔するつもりはなかったんですけど。し、失礼します」
キッチンに立つ橘さんを後ろから優しくバグする柚原さん。肩に顎をちょこんと乗せ、甘えるように顔をすりすりしていた。
貴重な夫婦水入らずの時間。邪魔するわけにはいかない。急いで台所を出ようとしたら、
「ねえさん、待った」
柚原さんに呼び止められた。
「ひまちゃんが最優先です。一太と優輝たちを見てきますから」
笑顔で陽葵の頬っぺをやさしく撫でると、颯爽と歩きだした。
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