3310 / 3574

番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「えぇ~~やだ。僕もぱぱたんとままたんがいい!」 優輝くんがあわてて飛び起きた。 「何だ、思ったり元気そうじゃじゃないか?」 地竜さんが優輝くんの額に手をあてた。 「熱もなさそうだ。良かった」 顔を覗き込むとにっこりと微笑んだ。 「めぐみばっかズルい」 優輝くんが下唇をこれでもかと伸ばした。 「卯月さんじゃなくて、お医者さんを連れてくるなんて。ひきょうだ」 「卯月さんを呼んだらディノンさんが来てくれたんだもの。私は悪くない」 「こら、こら、ふたりとも。朝っぱらから喧嘩をするな。本当に君たちは仲がいいな」 「仲悪い。誰が優輝となんか」 「そうだよ、誰がめぐみとなんか」 プイッとそっぽを向くふたり。なんだかんだいいながらも息の合ったふたりに地竜さんがクスクスと笑い出した。 彼が先に子供たちを小学校に送っていき、優輝くんが渋々起きてきた。あれほど機嫌が悪かったのに朝ごはんを橘さんと柚原さんと三人で食べているうちにすっかり元気になり気つけばいつもの優輝くんに戻っていた。 その後、地竜さんと柚原さんが優輝くんを小学校まで送っていっていった。その道中ちょっとした事件が起きた。

ともだちにシェアしよう!