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番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「では聞きます。あの子は親に捨てられたのでしょう?縣一家が引き取るべきなのにどうしてここにいるんですか?」 「親には捨てられていない。親元を離れて山村留学中だ。あの年で立派なもんだろう」 「そうですか?私にはそうは見えませんけど」 「森下、その物騒なモノ、さっさとしまえ」 「なぜあなたに指図されないといけないのですか?」 森下さんは戻ってきた地竜さんを不機嫌そうにジロリと見上げた。 「熱視線を送られても困る。俺には愛する妻がいる。他を当たってくれ」 笑顔で答える地竜さん。でも目は笑ってはいなかった。 「本当にお医者さんですか?ただ者ではないオーラが出てますよ」 「ただ者ではないオーラを出しているのは俺じゃなく、彼のほうじゃないか?」 地竜さんの視線の先にいたのは畑の前で散歩中の近所の人たちと笑いながら立ち話をする海翔くんの継父の瀧田さんだった。海翔くんが行方不明なのにも関わらずろくすっぽ探しもせず何食わぬ顔で普段通りの生活をしている。 「人は見かけによらぬもの。きみはなかなか素晴らしい観察眼を持っている。それを生かさないと。宝の持ち腐れだろ?」 地竜さんに言われ森下さんは瀧田さんの顔をじっと見つめた。

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