3313 / 3575

番外編どっちが子どもなんだかわからないね

「どっかで見たことがある苦み走ったあんちゃんがいると思ったら柚原さんじゃねぇべした。久し振り。元気だったか?」 男性が笑顔で手を振った。 「知り合いか?」 「猟友会のメンバーだ」 「猟友会?お前そんなのにも入っているのか?」 「何事も若いうちから経験しておかないとな」 男性が柚原さんたちのところに移動してきた。瀧田さんはその隙にすっといなくなった。 「ひ孫さん無事に産まれたんですか?」 「一昨日産っちゃんだ。だから見に来たんだ」 「そうですか。おめでとうございます」 「ありがとない。にしても柚原さんはスゲエんだぞ。狙った獲物は逃さない。百発百中のあんちゃんなんだ。儂ら猟友会希望の星なんだ」 「鈴木さんには負けますよ」 「何言ってんだべした」 男性がゲラゲラと笑い出した。地竜さんと森下さんはふたりのやり取りをあっぱぐちを開けてぽかーんと眺めていた。 「鈴木さん、つかぬことを聞きますが瀧田さんとはどういった関係なんですか?」 「親戚なんだ」 男性が持っていたバックからチラシを取り出した。それは警察が作成した瀧田海翔くんを探していますと書かれたチラシだった。 「いくら血が繋がってなくても息子にはかわんねぇべした。うすらかすらして遊んでばっかいねぇで息子を探してやれと言いに来たんだが……」 そこで言葉を止めると深くため息をついた。

ともだちにシェアしよう!