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番外編サクラ

「なにを撮ってるんだ?止めないなら撃つぞ!」 「いいのか、サツがなんの罪もない一般市民に銃を向けて。しかも自閉症の若者に。これって問題にならないのか?弱いものイジメなんじゃないか?」 「は?なにを訳の分からないことを言ってるんだ」 「彼はまだオヤジと盃を交わしていない。楮山組から逃げ出した彼をオヤジが保護して面倒をみているんだ。これがどういう意味だか頭のいいお前なら分かるだろう」 鞠家さんに言われ、男性が忌々しいとばかりに舌打ちをした。 「どこのどいつだとはあえて言わないが、サツは彼を助けるどころか口を塞ごうとした。妹も殺されたようなものなのに事件そのものがなかったことになってしまった。俺もサツが嫌いだが、彼は俺よりもっと大嫌いだ」 ふたりに凄まれ、渋々ながら銃をおろす男性。 「シフォンケーキだ。食べていいぞ」 男性が紙袋を譲治さんに差し出した。 「知らない人からものをもらっちゃダメって蜂谷さんに言われているからいらない」 首を横に振る譲治さん。 「そうだった。ここには蜂谷もいるんだったな。それに老いぼれの恥さらしも」 どこまで人を馬鹿にしたら気が済むんだろう。男性が銃をしまい紙袋をぶら下げて門に向かい歩き出した。 「悪かったな、老いぼれの恥さらしで」 門の手前で男性を待ち構えていたのは伊澤さんだった。 「伊澤さん久し振りです。そんなことを言った覚えありませんよ。言ったのはそこの若いのでしょう。ちゃんと躾をしないと駄目ですよ」 「人の心配より自分の心配をしたらどうなんだ?」 「言っている意味が分かりません」 「携帯を見ろって言ってんだよ」 伊澤さんに言われ携帯を取り出す男性。みるみるうちに顔が変わった。

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