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番外編サクラ

「根岸さん、このアカウントの写真を見てもらってもいいですか?今、拡大します」 「弁護士がよくつけているバッチだよな?」 「はい。隣にいる男性のラペルピンを見てください」 「小さくてよく見えないがこれってもしかして……」 「シェド教団の幹部クラスの信者のみが付けることを許されているというバッチに酷似しています」 そのアカウントは譲治さんについてあることないことを流布し、公安を擁護する投稿を繰り返していた。 「実のところ、譲治の弟もまだ遼成と盃を交わしていない。遼成には妹の一周忌が過ぎるまで待って欲しいと頼み込んだ」 「そうだったんですね」 「適当なことを抜かすんじゃねぇって言ってやりたいが、相手にするだけ無駄だ。吉村、この弁護士が誰か調べられるか?」 「分かりました」 「私も手伝いましょうか?一応、こう見えても弁護士の端くれですし」 橘さんが陽葵を連れてきてくれた。 「たいくんとここちゃんは蜂谷さんが見てますから心配いりません。N弁護士連合会のホームページにある弁護士検索でこの人が誰か探しましょう。 登録されていない人物は、弁護士ではありません。気の遠くなる作業ですが手分けして調べればすぐです」 「ねえさん」鞠家さんが姿を現した。 「公安のかたは帰ったんですか?」 「はい。ヤツが新人だった頃散々おやっさんに世話になっておきながらとんでもないヤツです。恩を仇で返すとはまさにこの事です」 鞠家さんが声を荒げた。

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