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番外編サクラ

「もし和真に子どもが生まれたら、吉村、きみもカシラと同じように和真の子どもを目に入れても痛くないくらいに可愛がるだろうよ」 「可愛がりすぎて斎藤さんに臍を曲げられないようにしないと駄目ですけどね」 SNSのパトロールよりも陽葵が気になって仕方がない様子の吉村さんに、 「抱っこしてみますか?」 おそるおそる声を掛けてみた。 「いいんですか?うわぁ~~赤ちゃんを抱っこするなんて久し振りです。和真に子どもは一人より四人がいい。俺も斎藤も子育てに協力するから早く赤ちゃんの顔を見せてくれって頼んでいるんですよ。和真と四季の子どもなら絶対的に天使ですよ」 興奮する吉村さん。陽葵をそっと抱っこすると顔が緩みっぱなしになった。 「みちさん、ままたん、じょうさんは?どこにもいないの」 泣きながら幸ちゃんが起きてきた。具合が悪いからなおさら機嫌が悪い。 「庭掃除をしていなかったか?」 「ううん、いない」 幸ちゃんが首を横に振った。 「じゃあのんのさまのところは?」 「そこもいない。だからさがしてるの」 「そうか、それは困ったな」 根岸さんがよっこらしょと立ち上がった。 「おじちゃんと探しに行くか?譲治を見付けたらお利口さんにして寝ていること。明日も保育園を休むようになるからな。約束出来るか?」 「うん、できる」 幸ちゃんが右手を挙げた。幸ちゃんは譲治さんが自分を守ってくれたことを根岸さんに話し、譲治さんはいい子、いい子だからあまり怒らないでねとお願いしていた。見ていないようでちゃんとまわりの大人たちのことを見ている幸ちゃん。 「怒ってはいないと思うんだが、口調がキツいから怒っているように聞こえたのかもな。よし、分かった。若いのにこれからは言葉遣いに気を付けるように言っておくな」 幸ちゃんの頭を撫でると手をそっと握った。

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