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番外編サクラ
「急ぎの調べ物があるのでこれ以上は怒りませんよ。ちょうどよかった。青空さんも手伝ってください」
「漢字は無理だぞ。分かるとしたら二年生までだ」
「そんな難しい漢字はありませんよ」
「それなら分かった。手伝う。吉村悪いな。ねえさんと橘と陽葵とラブラブイチャイチャタイムだったのに邪魔して」
「あ、青空さん、ラブラブもイチャイチャもしていませんよ」
「そうか?鼻の下がこれでもかと伸びていたぞ」
「それはその、陽葵ちゃんが可愛いからです」
「本当か?」
疑いの目を向けられ動揺する吉村さん。青空さんは吉村さんをからかって反応を楽しんでいるみたいだった。
「だって吉村も斎藤も俺を変な目でじろじろ見なかった。だからいいヤツだ。直感で俺は感じた」
「私も青空さんといると楽しいです」
吉村さんが笑顔を見せた。
「金の切れ目が縁の切れ目は世界共通だな」
吉村さんの助手をしていた青空さんがポツリと呟いた。
「どうした?」
「ずいぶんと難しい言葉を知っているんだと思ってな」
「頭のなか、小学二年生レベルなのに、だろ?」
「そうは言ってない。語弊があったら許してくれ」
「別に構わないさ。情報提供者は何も日本人だけ
ではない。外国人にもいる。吉田の情報提供者は森下の他にもいる。ソイツは黒竜のメンバーでシェドとも繋がりがある人物だとする」
「もし、もしもだよ、紫竜さんにその事がバレたら?」
「たとえ組織の情報を漏らしていなくてもほぼ100%間違いなく消される。紫竜は隠れてこそこそされるのが一番大嫌いだ」
「なるほど。色々と勉強になります」
互いに見つめ合い、微笑み合い、そして相槌を打つふたり。はたから見たら恋人同士にしか見えない。そんなふたりをやきもきしながら遠巻きに見ていた人たちがいた。
その人たちは別に気にしてない。と口では言いながら心ここにあらず状態で、あきらかに挙動不審だった。
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