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番外編雲隠れしてしまった一央さん
ー組長はどうした!マル暴が三人も出張っているんだ、顔を見せたらどうだ!ってサツがいきなり縣一家に乗り込んできたのよ。だからアタシ、光希のところにいるんだけどね。一央、また何かやらしたみたいよ。今回ばかりはさすがにまずいと思ったんじゃない?それで雲隠れよー
「甲崎は?」
ー別の捜査で毎日あちこち飛び回ってるわ。甲ちゃんもひと探しをしてるみたいよー
「もしかして椎根か?」
ーご名答。さすがはアタシの遥琉お兄ちゃん!ー
パチンと手を叩く音が聞こえてきた。
ー海翔が監禁されている場所を見付ける突破口になるかはまだわかんないけど、サツは元妻を誘拐し殺害した罪でようやく椎根の逮捕状をとり公開捜査に踏み切ったわー
確たる証拠がない、ただの家出。そう言って全然警察は動いてはくれなかった。取り合ってもくれず門前払いだった。
「お姉ちゃん、警察が動いたということはもしかして鉄将くんの身に何かあった、ということですか?」
ふと最悪の事態が脳裏をよぎった。聞くのも怖くて声が震えた。そんな僕に彼が大丈夫だ、そう優しく声を掛けてくれて。ぎゅっと抱き締めてくれた。
「果報は寝て待てだ。未知、膝を借りるぞ」
「遥琉さん、寝ている場合じゃあ」
「遼は逮捕されるような悪いことは何もしていない。あくまで任意同行されただけだ」
膝を枕代わりにしてごろんと横になる彼。
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