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番外編 橘さん、ナイスアドバイス
玲士さんが台所に入るなりクラッカーの音がパンパンと鳴り響いた。
「くれぐれも子どもたちを起こさないようにお願いしますね」
橘さんがテ―ブルの上に料理を並べた。
「起こしたら面倒みるから、そこは大丈夫。玲士おめでとう。良かったねぇ~~飲むよ~~」
缶ビ―ルを掲げる那和さん。ほろ酔い気分ですでにできあがっていた。
「那和は飲み過ぎ。たく、しょうがないな」
紗智さんがやれやれとため息をついた。
「玲士さん、何を今さら恥ずかしがるの?亜優の隣は玲士さんの指定席でしょ?ずっと温めて待ってたんだから。座んなかったら臍を曲げられるよ」
紗智さんが玲士さんの腕を掴み亜優さんの隣の椅子に座らせた。
「聞いたと思うけどしばらく部屋住みになるから、亜優と一緒に寝たいときはヤスさんと佐治さんを通してバ―バの許可をもらう。いきなり押し掛けて来ては駄目だよ。これだけは守って」
「言葉が通じないことをいいことにいきなり寝込みを襲ってエッチするも禁止だよ」
「ちょっと那和は黙ってて。もうこれだから……」
「分かった。肝に銘じる。那和の言うことはもっともだ」
「本当にごめんね、縣一家でも部屋住みからようやく抜けたのに。また振り出しに戻って」
「俺は気にしてない。亜優が同じ屋根の下にいる。それだけで俄然やる気が出てくる。カバン持ちでも電話番でもなんでもする。亜優が俺を好きって言ってくれるまでは手を出さない。我慢する」
きっぱりと言いきった玲士さん。男前な表情に亜優さんの頬っぺが真っ赤になった。
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