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番外編 橘さん、ナイスアドバイス

「未知」 彼の声がいつにも増して甘く響く。このなめらかな低音で名前を呼ばれることに僕は弱い。きゅうっと縋りつくと首筋に口付けられた。角度を変えては何度も柔らかく、啄むような口付けが落ちてくる。もっと深い口付けが欲しくて彼の背中に掌をそっと這わせれば、彼の口角が微かに上がったのが分かった。 「ん、ぅ…っ」 すぐに熱い舌先が口内に押し入ってくる。挨拶代わりのキスとはまた違うキスに、快感が背筋をぞくりと撫でて、甘い嬌声が絡んだ舌に溶けた。うっとりしている間に布団にそっと寝かせられた。 「鍵が閉まれば未知を存分に堪能することが出来るんだが、それにこれから賑やかになるし」 「こんな時間にお客さん?」 「客といえば客なんだがな。とりあえずキスだけで我慢してくれ。続きはみんなが寝静まってからにしよう」 「もし寝ていたら起こして」 「分かった。でもな未知の寝顔が可愛いくていつまでも見ていられるんだよな。いじくりこんにゃくするなってほうが無理かもな」 苦笑しならそっと頬に口付けられた。 「愛してるよ未知。いつもありがとうな」 囁かれ、抱き締められ、唇が触れ合うと、体の奥までが柔らかく溶けていく気がした。僕も遥琉さんのことが大好き。面と向かって言葉にするのがまだちょっと恥ずかしいけれど。 「ん……ん……っ」 深く、浅く、吐息を混ぜ合い、時間が許す限り僕たちは口付けを交わした。

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