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番外編橘さんナイスアドバイス
それをいち早く察したのは鞠家さんだった。
「あ、そういえば知り合いのマル暴のデカから聞いたんだが、吉田さんという刑事さんはいませんか?父さんを連れていったきり戻ってこないと二人の子どもが駅前の交番に来て、親とも連絡が取れずネグレクトが疑われると児童相談所に一時保護されているそうだ。お前の息子たちじゃないのか?」
隣に座っていた鞠家さんが静かに口を開いた。その言葉にギクッとする森下さん。その後、今年の春に閉校となった小学校の校庭にヘリが待機しているとかで、森下さんは若い衆に首根っこを掴まれ連れていかれた。
温かい手が遠慮がちに頬に触れてきて。ドキリとして目が覚めた。
「あっ……」
僕をじっと見つめる彼と目が合った。
「ごめんな、起こして。五月蝿くてなかなか寝付かれなかったのに悪いな」
「ううん、遥琉さん、森下さんは?」
「縣一家の若いのに連れていかれた。縣一家の跡取りの命を狙ったんだ。自業自得だ」
彼の話しによると、森下さんの息子さんたちは出掛けたきり三日も帰ってこない父親を公園で健気に待ち続けた。そんな二人を保護して交番まで連れていったのは千里お姉ちゃんと凪くんと碧斗くんだった。
「子ども連れの方が警戒されないのではと千里なりに考えんだろう」
「変な人に連れていかれなくて良かった」
「何か起きてからは遅いからな」
彼が布団に潜り込んできた。
「腕枕をしてやる」
彼の逞しい腕が伸びてきた。
「今さら恥ずかしがってどうする?もうちょいねっぱってくれないと。悪戯するぞ」
ニヤリと笑いながら顔を覗きこまれ鼻先を指の腹でつんつんされた。
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