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番外編スペシャルサプライズ

「どうした?あっぱぐちを開けて」 「え?」 彼に言われるまでそのことに気付かなかった。 「なんでなにもしてこないんだろって、だろ?」 言い当てられ顔を赤らめると、 「図星か」 嬉しそうな笑顔を見せた。 「疲れている未知を少しでも寝させてやらないと、のちのちえらい目にあうのは俺だからな。それだけは避けたい」 「もしかして橘さんに何か言われた?」 「橘にもだけど、橘よりも何十倍も過保護なのが未知のまわりにはわんさかいるからな。それにファンクラブのメンバーも敵に回すとのちのち面倒だからな。あ、でも未知がどうしてもしたいと言うなら」 そこで言葉を止めるとむくっと上体を起こし、熱っぽい眼差しで顔を覗き込まれた。 「考え直してもいいぞ。どうする?」 服の上からあちこちぺたぺたと触られた。 「ちょっと遥琉さん、くすぐったい。脇の下は駄目ってば」 「くすぐってないだろ?」 「くすぐってるよ」 笑うまいとしても我慢することができず。体を捩らせて何とか逃げようとしたけど、彼の逞しい腕にあっけなく掴まり、すぐに引き戻された。 「遥琉さん、さっき縣一家の若いのにって言わなかった。僕の聞き間違いかな」 「聞き間違いじゃないぞ」 若い衆をとりまとめているのはコウジさんだ。 「もしかしてコウジさんが来たとか?」 「良く分かったな。今頃駅前の居酒屋で過足らかつてのメンバーたちと同窓会をしている。玲士を驚かせるから内緒にしてくれって頼まれた」 「遥琉さんもしかして」 「なんだ、まだ聞きたいことがあるのか」 「スペシャルサプライズで龍成さんが来たとか」 「残念。龍成じゃないんだな。でもスペシャルサプライズは当たってる。さすがは俺の未知だ」

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