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番外編思いがけない再会

「玲士、なにをぼさっとしているんだ?挨拶くらいしろ」 過足さんたちを目を丸くして凝視する玲士さん。 「もしかして知り合いか?」 「病気のため働けないから生活保護を受けたいと何度か相談されたことがあります。名前は確か車田。結局認められずその後は音信不通になってしまった。半年くらい過ぎてから知人を頼り福島に移り住んだと風の噂で聞いた。あのときはすまなかった。俺の力及ばずで本当に申し訳ないことをした」 「甲崎なんてなかなかない苗字だから、まさかとは思ったけど。あなたのことは一切恨んでいませんよ」 刺のある言い方で玲士さんをじろりと見る車田さん。 「よくしていただきましたからね、あなたには特に。恨んだらバチが当たる。とでも言ってもらいたいんですか?」 「止せ、車田。昔のことは忘れるって約束したべ」 「そうだ、恨む相手が違う」 過足さんと蛭田さんが今にも玲士さんに飛び掛かろうとしている車田さんを二人かがりでなんとか止めた。 「おぃ、お前ら。そんなに喧嘩をしたいなら外でやれ。赤ん坊が寝ているんだ。静かにしろ!」 コウジさんのドスのきいた低い声にどきッとする四人。 「喧嘩上等だ。バスの運転手をなめんなよ。こう見えても体を鍛えているんだ。腕は鈍っていない。過足、蛭田、この手をさっさと離せ!」 額に青筋を張らせまなじりをつり上げ唇をひん曲げて過足さんと蛭田さんの腕のなかで手足をバタつかせる車田さん。

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