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番外編予期せぬ接点

「昔、ヘマをやらかして楮山の子分たちに捕まってボコボコにされて監禁されたことがある。ろくに飯も食わせてもらえなかった。そんなとき彼が見張りに気付かれないように食べ物をこっそりと持ってきてくれて。なんか命を繋ぐことができた。あのときはありがとう」 不思議そうに首を傾げる譲治さん。 「きみにとったら当たり前のことをしたまでで、たいしたことないことかもしれないが、俺にとっては一生忘れることができない」 怖がらせないようににっこりと微笑むと譲治さんの顔を覗き込んだ。 「俺を助けたのが楮山の子分たちにバレて見せしめに壮絶なリンチを受けていないか、指を詰められていなか、それがずっと気がかりだった。良かった、無事で……」 「あっ……もしかして……」 譲治さんが車田さんのことを思い出したみたいだった。 「無事だったんだ、良かった」 隠れていた鍋山さんの背中からおっかなびっくり顔を出すと、 「きみにずっと会いたかった」 車田さんが鍋山さんの体を押し退けて譲治さんにむぎっと抱き付いた。 「わ、わ、わ」 突然のことに譲治さんが驚き目を白黒させていた。 「あの~~感動の再会に水を差すようだが、譲治にはかなり嫉妬深くて、かなり面倒臭い彼氏がいる。命が惜しかったら今すぐ譲治から離れたほうが身のためだぞ」 「なんであのとき一緒に逃げてくれなかったんだ?そうすればきみを探す手間が省けたのに」 「あ、あの、そ、それは」 しどろもどろになる譲治さん。

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