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番外編予期せぬ接点

「譲治は弟妹想いの優しい兄ちゃんだから、弟が酷い目に遇うのだけはどうしても避けたかったんだろう」 壱東さんに体を支えてもらい、あててと腰を擦りながらよっこらしょと鍋山さんがゆっくりと体を起こした。 「そいつは俺よりいい男なのか?」 「えっと、その……」 まじまじと見詰められ顔を真っ赤にする譲治さん。視線が彷徨い額には汗が光っていた。 「彼氏の方が断然いいに決まってる。なんせ親公認の仲だしな。そうだろう壱東」 話しを急に振られ、 「彼氏って?あぁ、そっちの彼氏か。彼なら倅を安心して任せられるしな」 頭のなかが一瞬真っ白になったみたいだけどなんとか話しを合わせることが出来た。 「変態が玉に瑕だが」 ぼぞっと呟いたのは鞠家さんだった。 「カシラお口チャックです」 「そうだった。すっかり忘れていた」 若い衆に言われ頭をくしゃくしゃと掻く鞠家さん。 「それってどういう意味ですか?」 「なかなかいい尻をしている。胸板も厚くて触り心地が良さそうだ。無事に家に帰れればいいがな」 思わせぶりな態度に不信感を募らせる車田さん。 まわりの心配をよそに車田さんは何を言われれも譲治さんを離す気はさらさらないみたいだった。 これでは埒が明かないとコウジさんが過足さんと蛭田さんに車田さんを譲治さんから力ずくでもなんでもいいからすぐに離せと命じた。

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