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番外編予期せぬ接点

「熱はないから大丈夫。心配してくれてありがとう。そういえば遥琉が覃が帰ってきたら話したいことがあるって言っていたよ」 「本当にそうか?」 疑いの目でじっと光希さんの手元を見る覃さん。 「隠していてもバレバレだぞ。ジョーの服だろ?それ。なんで光希が持っているんだ?説明せい」 「水遊びして濡れたから。なかなか着替えをしてくれなくて大変だったんだ」 「そうか、それは悪いことをしたな。俺が代わりに洗うぞ」 覃さんがにんまりと笑うと右手をすっと差し出した。 「未知の話しだと丸二日着た服で、汗臭いし、埃っぽいし、あと……」 「愛しのマイハニーの匂い、俺は全然気にならい。ほれ、早く」 覃さんにせがまれ、おずおずとTシャツを渡す光希さん。 「ジョーの匂いがする」 Tシャツを大事そうに両手でぎゅっと抱き締める覃さん。鼻を擦り付けクンクンと匂いを嗅ぎはじめた。 「予想はしていたけど、まさか覃も龍と同じだったとは」 「失礼な。龍成と一緒にしないでくれ」 「どう見ても一緒だから」 洗濯機の前に座り嬉しそうな表情を浮かべる覃さん。その顔が覃さんと同じように洗濯機の前に座り至福のひとときを堪能する龍成さんの顔に重なって見えた光希さん。 「何を言っても糠に釘か。匂いを堪能したら洗濯機の中に入れて、スタートボタンを押して。洗うものがまだまだたくさんあるから」 「了解した」 「よろしくね。忘れないで」 バレる前にそそくさと脱衣室から逃げようとした光希さんだったけれど、 「ちょっと待て光希」 覃さんの鋭い声が飛んできてギクリとして立ち止まった。

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