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番外編予期せぬ接点

「火に油を注ぐようなものですからね。こういうときは下手に声を掛けず温かく見守るのが一番です。ほっときましょう」 「あ、でも……」 「橘の言う通りほっとくのが一番。覃はやみくもにコウジを襲ったりしないから」 「なぜそれが分かるんですか?」 「ごつごつして骨ばっかで揉みがいがない。そんことを言っていたから。未知、人の心配よりまずは自分の心配をしないと。髪、濡れままだと風邪をひくよ」 「だからですか遥琉が未知さんが風呂に行ったり戻ってこないと、ドライヤーを持って探していたのは」 「え?嘘、そんな……」 彼の声が聞こえたような気がしてキョロキョロとあたりを見回すと、 「ここにいたのか、探したんだぞ」 橘さんの言う通りドライヤーを持った彼が薄暗い廊下の奥からからぬっと姿を現したものだから本当にびっくりした。 「覃、お帰り。ずいぶんと早かったな。頼むから客人をいじめないでくれよ」 「いじめてはいない。ジョーに触れた不埒な輩が誰か問い詰めていただけだ」 「覃、地竜のことだが」 「危険を察知し姿を現した、だろ?連絡が来た」 「分かっているならいいんだ」 「あとを追わないのか?だろ、卯月が俺に言いたいのは。あとを追いたいのはやまやまなんだが、こっちを白黒はっきり付けておかないとな」 「壱東と鍋山に任せておけ。焼きもち妬きほどめんどくさいものはないからな」 彼の言葉に覃さんが首を傾げ、 「その言葉、そのまま返す。卯月と同じで嬉しいぞ。仲間がいるっていいな」 機嫌よく鼻唄を口ずさみながら譲治さんのTシャツを洗濯機のなかにいれた。

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