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番外編予期せぬ接点
「覃に聞こうと思っていたんだが、犯罪の旨そうな匂いがする、そう光希に言ったそうだな。どういう意味だ?」
「そのまんまだ。あの車田という男、人を殺した過去があるんじゃないか?少年だから重い罪にはならなかった。これはバウンティハンターとしての勘だがな」
「コウジなら何か分かるかもな」
「もしそうならジョーが危ないだろ?俺よりヤバい変態だったら、守るのが俺の役目」
覃さんの目の奥がキラリと輝いた。
「今日も色々あったから。疲れて寝ている譲治さんを起こさないように静かに布団に潜り込んだみたい」
「覃にしては珍しいな。頼むから雨を降らせないでくれよ」
「譲治さん起きたらびっくりするね」
「覃が隣に寝ているんだ。そりゃあたまげるさ」
覃さんに抱き枕にされて身動きが取れなくて。助けも呼べず半泣きする譲治さんの姿が目に浮かんだ。
「大丈夫だ。覃は譲治だけには優しいから。泣かせるようなことはしないから、心配するな」
そっと肩を抱き寄せられた。
「未知こそ疲れただろ?寝よう」
おでこにチュッと軽くお休みのキスをしてくれると、布団を掛け直してくれた。
「そういえば弓削の夢を見た。俺たちみんななぜかお揃いの絣の浴衣姿で屋台が並ぶ駅前大通りをそぞろ歩きしているんだ。夢を見たら無性に弓削に会いたくなった」
「僕も遥琉さんと同じ。弓削さんに会いたい」
「今ごろ何してるかな?」
おでことおでこをくっつけて、とりとめのない話しに花が咲くと、ふたりして自然と笑みが溢れた。穏やかで幸せなひとときだった。
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