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番外編予期せぬ接点

「そのくらいで怒る根岸じゃねぇよ。拳なは叩くためにあるんじゃねぇ。好きなひとを命をかけて守るためにあるんだ。佐治、その一本もらってもいいか?」 「は、はい」 直立不動になり大きな声で答える佐治さん。 「ご近所迷惑になる。あんまりデカイ声で喋るなよ」 「すみません」 煙草を口に咥えると佐治さんがすかさずいれずライターで煙草の先に火を付けた。 「情報筋からなかなか面白い話しを聞いたぞ。吉田のところに一通の封筒が届いたらしいぞ。家族写真とともに未使用のマグナム拳銃が一丁入っていたそうだ」 「次は家族を狙う、吉田もついに脅しに屈したか」 「そういうタマじゃねぇよ、アイツは」 覃さんが吐き捨てた。 「前からずっと聞きたかったんが、吉田とはどんな因縁があるんだ?なぜこうも関わりとする?」 「どうしようかな、教えようかな。やっぱり教えない。いずれそのうち分かるさ。夜はやはり風が冷たいな。ジョーに温めてもらう。じゃあ、先戻るな」 覃さんが右手をすっと挙げた。 「バイバイじゃなくて、ピースサインか。覃らしいな」 ヤスさんがクスリと笑った。 「うぎゃ~~!出たぁ~~!」 譲治さんの悲鳴が聞こえたような気がしてぽっかりとして目が覚めた。 「どうした?」 起き上がろうとしたら怪訝そうな声とともに逞しい腕が伸びてきて、布団のなかに引き戻された。 「子どもたちは全員寝てる。起きる必要はないだろ?みんなちゃんと息をしてるから、安心しろ」 「それはそうなんだけど、譲治さんの悲鳴が聞こえたような気がしたの」 「覃にまた悪戯をされたんだろ?ほっとけ」 「もし悪戯じゃなかったら?何かあってからでは遅いでしょ?」 「たく、相変わらず心配性なんだから。未知は寝てろ。俺が様子を見てくる」 腕がすっと離れ、彼がむくっと体を起こした。

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