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番外編予期せぬ接点

「へぇ~~殺人教唆で伊澤を逮捕するだと?冗談も休み休み言え。吉田が自殺するような男ではないのは、大山さん、あなたが一番よく知っているはずだ」 腹立たしさを押さえ、大山さんをじろりと見つめる彼。 「何十年振りかに会った元部下のあまりの変わりように伊澤は言葉を失くしていた。エスは使い勝手のいい駒ではない。罪を見逃す代わりに、人の弱みにつけこんで好き勝手に振舞うなど言語道断」 「卯月の言いたいことは分かる。分かるが……」 そこで言葉を詰まらせると黙り込んでしまった。 「森下を自由にしてやってくれ。子どもと三人、平々凡々な生活を送らせてやりたい。それと」 「まだあるのか?」 「一央の居場所を知ってんだろ?調べはついている。彼も自由にしてやってくれ。彼はカタギだ。縣の婿だったことは遠い昔の話しだ。縣一家とは無関係だ」 「そう言われてもな」 表情を曇らせる大山さん。そのとき何かに気付き、反射的に上着の内ポケットに手を入れた。 「愛しの千里にもう二度と会えなくなるぞ。いいのか?」 廊下のほうから覃さんの声が聞こえてきた。 「俺らのアイドル、千ちゃんを呼び捨てにするな。馴れ馴れしい」 「だったら、その物騒なモノ、さっさとしまえ」 それでも上着に手を入れたままの大山さん。 「お前が引き金を引くのが先か、俺がお前の喉をかっ切るのか先か、見物だな。撃てるものなら撃ってみろ。吉田みたく丸腰の一般人を狙った。また炎上するぞ。今度はそう簡単には消火することが出来ないぞ。さぁ、どうする?」

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