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番外編予期せぬ接点
頬が緩み、ガッツポーズをする大山さん。メールを送信してきた相手はお姉ちゃんだった。
「卯月さんありがとう。千ちゃんに出会えた奇跡に感謝感激雨あられ」
声が弾み、感謝の気持ちを伝える大山さん。嬉しくて堪らない、そんな感じだった。
「本当に千里が好きなんだな」
あまりの変わりように彼も苦笑いをするしかなかった。
「千ちゃんのために生きているようなものだからな。千ちゃんを見ているだけで癒される。今日も朝から千ちゃんは可愛いな」
頬に手をあてて、うっとりとした表情で送られてきた写真を眺める大山さん。
「お茶をお持ちしました」
玲士さんがやや緊張した面持ちで広間に入ってきた。コウジさんも一緒だ。
「久し振りです、大山さん」
コウジさんがいるとはこれっぽっちも思っていなかった大山さん。
「何できみがここに?」
驚いたような声をあげた。
「何でって、ねえさんの護衛だ。ねえさんと坊っちゃんの命を狙おうとする不逞な輩からお守りするためだ。菱沼組の縄張りで派手なドンパチはしないから安心しろ」
「安心しろってどの口が言ってんだか。ここにはきみの仲間が何人もいるだろ?」
「敵討ちをされるような真似をするからだろ?自自業自得だ。はい、どうぞ」
コウジさんが大山さんの前にどんと湯呑み茶碗を少し乱暴に置いた。
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