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番外編予期せぬ接点

ひどく怖い顔をして度会さんの背中にまた隠れてしまった。 「ほら、言わんこっちゃない。少し落ち着けって言ったのをもう忘れたのか?」 「申し訳ない。俺としたことが……」 「猪みたく突進するのもいいが譲治はそれが怖いんだよ。さっきも駐車場で怖い思いをしたばかりだから、それを思い出したんだろう。向かってきたのは人じゃなく車だがな。謝りもせずに走り去った」 「会長の顔を見たとたん慌てて逃げ出した」 携帯電話で誰かと話をしていた蜂谷さんが戻ってきた。 「やはり盗難車だったか」 「知り合いの刑事に連絡をしました。あとは警察に任せましょう」 「あの男たちどこかで見たことがあるんだ。ハチ、使って悪いが本部から回ってきた手配書を見てくれないか?見ての通り手を離せる状態じゃない」 「またかくれんぼうをしているのか?譲治、怖くないから出てこい。お前の好きな未知さんがここにいるのに隠れる奴がどこにいるんだ?」 蜂谷さんに言われおっかなりびっくり顔を出す譲治さん。 すぐにでも飛んでいきたかった覃さんだけど、はやる気持ちをぐっと堪えた。 コンビニエンスストアで起きたことはまだあった。男たちが逃げあと店から出てきた二人の男性が度会さんの顔を見るなり慌てて目を逸らし、まるで逃げるように車に乗り込み走り去ったのだ。 「譲治さんにぶつかって怪我をさせたのにも関わらず逃げた人たち、大山さんと一緒にいた捜査員じゃないかな?度会さんが盗難車に気付いた、ということはその人たちも盗難車だということに気付いた、ということでしょ?それなのになぜ職務質問をせずに逃がしたのかなって。だって公開捜査されている容疑者だよ。管轄は違うかも知れないけど……」 話しを聞けば聞くほどおかしなことばかりだった。

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