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番外編予期せぬ接点

「やはり覃の目は誤魔化せなかったようです。人を引き寄せる魅力といい、ずば抜けた洞察力といい、人の心を読む力といい。さすがは名うてのバウンティハンターです。車田に自首するように説得してみます」 「コウジさん、もし手伝うことがあれば遠慮せずに言ってください。無茶なことだけは絶対にしないでください」 「ありがとうございます。その言葉だけありがたく頂戴します。過足もいますし俺一人ではないので大丈夫です」 僕や光希さんに心配を掛けまいと明るく振舞うコウジさん。 覃さんは車田さんの顔を一目見るなりコイツ指名手配犯じゃないかと断言した。 「まぁ、そう落ち込むな」 「落ち込んでなんか……え?」 コウジさんが驚いて思わず二度見した。 「嘘、なんで?ここに?」 「何でって、たまには覃の怒った顔を見て栄養補給するためだ。それと未知と子どもたちにこの疲れ切った心を癒してもらうためだ。悪いか?」 にやりと悪戯っぽい笑みを浮かべたのは宋さんだった。若草色の作業着を着てスラックスを穿いていた。 「いえ、悪くないです」 コウジさんが慌てて首を横に振った。 「紗智、久し振りだな。光希は取り込み中か、挨拶をしようと思ったが今は邪魔しないほうがいいな」 宋さんが部屋をそっと覗いた。 「宋さん、今大山さんの……」 「偽物が捕まったってだろ?顔や格好は瓜二つに化けたつもりでもまだまだ甘いな。覃の目を欺くには尻まで徹底的に化けないとな。サツに引き渡すまで覃にかなり可愛がってもらったみたいだ。俺も見たかったな、完璧な男が化けの皮を剥がされひぃひぃ泣き喚くツラを」 宋さんの顔はすごく楽しそうだった。それを見るなりコウジさんの表情が引き攣った。ぶるぶると震えあがった。

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