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番外編予期せぬ接点
「遥琉さんどうしたの?」
大量の洗濯物を干す場所を探して廊下を行ったり来たりしていたら腕を前で組み仁王立ちして空を見上げる彼の姿がふと目に入った。声を掛けるか躊躇したけど、普段とは違う彼の様子がどうしても気になってしまい声を掛けてみた。
「とばっちりを受けてまで何でそこまでして赤の他人になった一央を助けようとするんだ。さっき大山に聞かれたんだ」
「遥琉さんのことだから特に理由はない。そう答えたんでしょ?」
「あぁ。さすがは未知だな。俺のことを一番知っているだけはある」
「めぐみちゃんたちにとって一央さんはこれからもずっと父親だもの。でもね」
「やっていいことと悪いことがある、だろ?未知が言いたいことは。公安に優輝とめぐみの情報を流し、危ない目に遭わせた一央を俺だって許そうとは思わない。仏の顔も三度までだ。干すの、手伝おうか?どうせ暇だし」
「遥琉さんだって疲れているのに悪いよ。だって朝早くからバタバタしててそれこそ休む暇もなかったでしょ?」
「子どもたちは昼寝をしているし、早く終わればその分未知に甘えられる。そろそろ遥香が帰ってくる時間だし、未知、急いで干すぞ」
にかっと笑うと洗濯かごを僕の代わりに持ってくれた。
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