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予期せぬ接点

洗濯物を手分けして干していたら、 「噂には聞いていたが本当に仲がいいな」 大山さんが姿を見せた。 「今頃気づくなんて。遅いですよ。あれ、まだいらっしゃったんですか。タクシーが迎えに来たと若い衆が話していたので、てっきり帰ったと思っていましたよ」 「いや~~それがな。度会さんと立ち話しをしていたら思いの外話しが盛り上がってしまって。これから岳温泉に向かう。タクシーの運転手を随分と待たせてしまったから急いで行かないと」 「覃も一緒だと聞きました。隙を見せないほうがいいですよ」 「自分の体くらい自分で守れる。心配してくれてありがとうな。こんなおっさんの色気のない尻のどこがいいんだがさっぱり分からない」 お尻に手を置いてやれやれとため息をついた。 「パーンと張りがあって上部に筋肉が盛り上がっている、かためのお尻が花丸だ、とか言ってましたよ。大山さんの尻は覃にとってかなり魅力的に見えるんだと思いますよ」 「マジか……」 大山さんの顔から血の気が引き笑顔が消えた。 「覃に好かれたら最後だ。頭では分かっていたんだが。参ったな」 大山さんが苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。 スタスタと早歩きで門に向かっていた大山さんが急に立ち止まった。 「全然気付かなかったな」 ぼそっと呟くと風にそよぐ緑色の桜の木を見上げた。

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