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番外編予期せぬ接点

K市は昔暴力団同士の抗争が激しかった。紫さんのお父さんは濡れ衣を着せらてれ無念の死を遂げた。もしそのことに車田さんの両親が関わっているとしたら。 「遥琉さん、車田さんのお父さんって、もしかして……」 「どうした?」 「だから、その……」 濡れたタオルを握り締めると、またパン、と乾いたような音が聞こえてきた。 「今度は空砲じゃねぇな。車田の父親も元デカだ。辞めた後はある組の組長に拾われてお抱え運転手をしていたが盃は交わしてはいない」 彼がおぉ~~と歓声を上げた。 「ちょっと遥琉さん。そんなことをしている場合じゃないでしょう」 洗濯かごの中から僕の下着を見付けた彼。 「千里でもチカでもない。俺が買ってやったのをちゃんと穿いていてくれたのが嬉しいだ。ありがとうな、未知」 洗濯ばさみに下着を挟んで干すと、頭をポンポンと撫でられて、ほっぺに軽くキスをされた。 「ち、ちょっと遥琉さん!」 不意打ちを食らい思わず声が裏返ってしまった僕に、 「じゃあ行ってくるな」 くすりと笑うと、すぐに表情を引き締めて、門へと向かった。若い衆が慌ててあとを追い掛けた。 「急を要する状況でも遥琉は行ってきますのキスは忘れないんだ」 光希さんが苦笑いを浮かべながら姿を見せた。 「変なところが真面目なのは相変わらずだね。未知、危ないから中に入って。洗濯物はあとにしよう」

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