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番外編七夕

「そこのバカップル、サボっている暇があるなら手伝え!」 ドスのきいた青空さんのよく通る声があたりに響き渡り、びくっとして肩を震わせる玲士さん。 「もしかして俺ですか?」 「あと誰がいるんだ。オヤジにやらせるんじゃねぇよ」 鬼の形相で青空さんにじろりと睨まれ、怒鳴られて、あまりの迫力にすっかり怯えて涙目になる玲士さん。 「青空、玲士は新入りなんだ。もうちょい優しくしてやれ」 「新入りだからこそ公私混同、きっちりとケジメをつけてもらわないと。のちのち困るのは玲士本人だ。何事も最初が肝心だとオヤジがいつも言ってるだろう。若いのに同じことをくどくどと言うと嫌われよな、あまりしつこくするも嫌われるな、あれ、もう忘れたか?」 「忘れていない。独り言で言ったのによく覚えているな」 「たまたま偶然、聞こえただけだ。目と耳だけはいいからな」 「そうだったな」 彼がくすりと笑った。 玲士さんがビクビクしながら青空さんと譲治さんと一緒に短冊と折り紙で作った七夕飾りを笹の葉に飾りはじめた。 亜優さんは何が起きたかすぐには理解することが出来ず混乱してソワソワしていたけど、紗智さんと那和さんから、大丈夫、たいしたことないよ、そう声を掛けてもらいようやく安堵したのか、笑顔で見守っていた。

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