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番外編七夕

「卯月さんは褒められるのが苦手らしいな」 「俺たちは後ろ指を指されて当然の存在だからな。褒められるに慣れていない。許せ」 「卯月さんが敵味方関係なく誰からも愛される理由がなんとなくだけど分かったような気がした」 「ねえさんがいるからこそ今のオヤジがいる」 「姉妹揃ってファンクラブがあるくらいだかな」 「ねえさんも千里もモテモテだ」 「そうだな。卯月さんと引き合わせてくれた千ちゃんと未知さんには感謝しかない。この気持ちをずっと忘れない」 胸に手をあてて深く頷く大山さん。 きょとんとして聞いていた譲治さんが大山さんと同じように胸に手を置いた。「感謝する。忘れない」そう言いながら。 「覃に会いたいと書いたらどうだ?」 「ダメ。またなんか飛んでくる。血、見たくない」 譲治さんがぶんぶんと首を横に振ると、 「その時はその時だ。なるようにしかならないさ」 青空さんと大山さんの台詞が見事に被った。 「妙に馬が合うな俺ら」 「気のせいだ。たまたまだろうが」 青空さんが照れ隠しに顔を背けた。 「こんなにもうまいご馳走久し振りだ」 心尽くしの手料理に舌鼓を打つ大山さん。 お昼のニュースで車田さんが送検されたと流れると、箸を持つ手が止まった。 「俺が入院している間、ずっと拘留されていたのか」 「車田が親の仇である吉田を撃ったのは事実だが、車田にそうさせるように仕向けた黒幕がいる。吉田の行動を把握しマグナム銃と海外に高飛びするための大金と偽装パスポートを用意することが出来る人物だ」 車田さんは俺一人で計画し実行した。共犯はいないと最後まで口を割らなかった。

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