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番外編七夕

「光希さん、靴下も履かずに長靴を履いているので、その……鼻が曲がりますよ」 「ん?」 きょとんとして不思議そうに首を傾げる光希さん。 「それに靴底がでろでろになっているんで、服が汚れますよ。なんでまた白のシャツなんか着ているんですか、洗っても落ちませんよ」 「服?」 佐治さんが何を言わんとしているのか光希さんがようやく理解出来た時はすでに遅かった。袖口が泥だらけになっていた。 「福島で過ごしたいい思い出になるから大丈夫。気にしない」 「光希さんってポジティブですね」 「そうかな」 佐治さんの腕の中で太惺の小さな身体がもぞもぞと動き始めた。 「そうか、たいくんは光希さんが帰ってきたのが分かったんだ。奏音の前で抱っこしてもらったら焼きもちを妬かれるからな。たいくんも大変だな」 佐治さんが笑いながら太惺の顔を覗き込んだ。 「佐治、うちの姐さんも大変なんだぞ」 光希さんの隣にいたコウジさんがやれやれとため息をついた。 「コウジはただ単に達治が恋しいだけだろ?」 「なわけないだろ。話しを変えるな」 痛いところをつかれ動揺していた。

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