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番外編七夕

「そういえば光希さん。奏音くんが、夏はいらないから1日でも早く冬が来ればいい。やさしい光希さんママとりゅうパパとりょうパパと家族四人でいつまでも仲良くずっと一緒に暮らせますように。とすごく細かい字で短冊に書いたのを見付けましたか?」 「え?どこにあったの?ピーマンを食べれますようにと野菜嫌いが直りますようには見付けたけど。まさか奏音がそんなことを短冊に書いていたなんて」 「恥ずかしいから誰も読めない一番高いところに飾って欲しいと青空さんに頼んだんです」 橘さんが笹の葉のてっぺんを指差した。 「食べ物のことばかり書いたのは照れ隠しですよ」 「奏音ったら。可愛いんだから」 「短冊を読んだら遼成も龍成さんも間違いなく泣きますね」 「雨で濡れる前に回収しないと。俺も見たいし二人にも見せてあげたい」 「そうですね。それがいいです」 ふたりがそんな話しをしていたら雨がぱらぱらと降り始めた。 「パパ、ぬれちゃうよ」 「そうだったな」 一太に言われ、笹の葉が濡れないように軒下に移動するように若い衆に頼む彼。 光希さんは青空さんに頼み、奏音くんに気付かれないように短冊を取ってもらった。 「ありがとう。宝物が増えた。裏にもこんなにもいっぱい書いていたなんて」 光希さんは感極まり涙ぐんでいた。

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