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番外編七夕

「また会ったな。一央サン。なかなか面白い話しを聞かせてくれてありがとうな。夜は長い。じっくり話しを聞かせてもらおうか」 覃さんが気配もなく一央さんの背後から現れて。 ひょいと軽々と片手で肩に担いだ。 抵抗する間さえなかった。 「どうせ酔っ払って歩けないんだろ?特別に俺が連れていってやる」 フフフとなにやら愉しそうに不適な笑みを浮かべる覃さんに、一央さんの表情から血の気がさぁーっと引いた。一瞬で酔いが覚めたみたいだった。 「なかなかいい尻をしてんなとは前から思っていたんだ。う~~ん、なかなかいい揉み心地だ。悪くない」 空いている方の手でお尻をやわやわと揉む覃さん。 「会いたかったぜ、一央サン」 いつもは呼び捨てなのに。さん付けで呼ばれ、嫌な予感しかしない一央さん。恐怖で震え上がっていた。 「なぁ、俺は?ヘッドハンティングしないのか?自分で言うのもアレだがなかなか使える男だぞ」 「ただの変態の癖に」 「は?なんか言ったか?」 「な、なにも言ってない。下ろしてくれ。一人でも歩けるから」 手足をバタつかせる一央さん。 「暴れるな。落ちるぞ。子どもたちを起こすだろ?それだけは許さん」 なおも抵抗する一央さんに、黙れ、静かにしろ、短く脅すとゆっくりと歩き出した。 「ねぇ、パパ。何で優輝を怖い目にあわせたの?私と優輝のことをなんでそこまできらうの?パパがいなくなったって聞いて、私も優輝も幸もすごく心配したんだよ」 パジャマ姿で裸足のままめぐみちゃんが玄関から飛び出してきた。

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