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番外編七夕
誰だっけと言いながらゲラゲラと笑う一央さんに、
「パパもママみたくお酒をたくさんのんで、私たちのことぜんぶ忘れちゃったの?そんなパパ、私見たくない」
しだいに涙声になるめぐみちゃん。ずずっと鼻を啜った。
「黙っていないで答えろ」
ぺしっと軽くお尻を叩く覃さん。
覃さんにとっては軽くだったかもしれないけど、一央さんにしてみれば相当痛かったみたいで顔をしかめていた。
彼と光希さんもすぐに気づき、めぐみちゃんのもとに駆け寄った。
「誰か、靴を持ってきてやれ。いや、抱っこしたほうが早いな」
彼が片手で軽々とめぐみちゃんを抱き上げた。
「ごめんな、起こして」
「パパの声が聞こえたの。気のせいのかなって思ったけど、やっぱりパパだった」
「そうか」
頭をぽんぽんと軽く撫でる彼。
光希さんも、泣かなくていいからね、と優しく声をかけながら背中を擦った。
「光希、卯月の代わりに受け取れ」
ほいと黒い小さな何かを光希さんに投げる覃さん。
「ちょっと待って。急に言わないでよ」
慌てて両手を広げる光希さん。
「覃、それは俺のだ。返せ!」
一央さんも急に慌てはじめた。
「ナイスキャッチ。めぐみを抱っこしていてもさすがだな。ますます惚れそうだ」
「覃、そこは惚れなくていいから」
片手でキャッチする彼。
「うづきさん、すごい。みつきさんもそう思うでしょ?」
「そうだね」
「たまたまだ」
手を広げる彼。
「うづきさんこれは何?あぶないもの?」
めぐみちゃんがじっと手元を覗きこんだ。
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