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番外編七夕

めぐみちゃんにお似合いと言われたのがよっぽど嬉しかったのか玲士さんが「めぐみちゃんありがとう」と言いながら泣き出した。 「泣くことでもあるまい」 「涙もろいのは甲崎譲りだな」 これには佐治さんたちも苦笑いを浮かべていた。 一央さんはというは、めぐみちゃんに言われたことが相当ショックだったみたいでしょんぼりとしていた。 「姐さん危ない!」 足がふらつき危うく転びそうになった光希さん。寸でのところでコウジさんが抱き止めた。 「顔色が悪いですよ。大丈夫ですか?」 「事実だからそう言われても仕方がない。頭では分かっているんだけどね」 「姐さんは何も悪くないです」 「だけど……」 「いいですか、姐さん」 コウジさんが語気を強めた。 「その前に、誰が見ているか分かりません。変に誤解されるとのちのち大変なので場所を変えましょう。立てますか?」 「立てる」 コウジさんに体を支えてもらい起き上がろうとしたけど、 「あれ、なんで?手足に力が入らない」 「姐さん失礼します。肩に掴まっていてください」 コウジさんが光希さんのお尻の下に手を入れると、軽々と抱き上げた。 「あ、あの、コウジ、俺、すごく重いから……」 突然のことに戸惑いしどろもどろになる光希さん。 「何を言ってるんですか。こんなに軽いのに。卯月さん、これは見なかったことにしてもらってもいいですか?」 「あぁ、何も見ていない。めぐみもだろ?めぐみ?」 やけに静かだと思ったら彼の腕のなかで規則正しい寝息を立ててすやすやと眠っていた。

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