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番外編光希さんの妹さん

「ひどい目にあった」 ぶつぶつとぼやく一央さん。 「早く誰かタオル!」 水が目に入り痛くて開けられなくて。かなり苛立っていた。 「なんで誰も持ってこないんだよ!それが客人に対する態度か。どういう教育をしているんだ、卯月は」 差し出されたタオルを乱暴にとる一央さん。 「遅い」 「あら、遅くて悪かったわね。橘さんと柚原さんがいないでしょ?だから幸ちゃんにご飯を食べさせて保育園に行く用意をしていたのよ。だからそんなに怒らないで」 タオルを持ってきてくれたのは紫さんだった。 「タオルを持ってくる。ちょっと待ってろと言われて、気付いたら誰もいなくなって。ここに放置された俺の身にもなってください。暑いし、目は痛いし。熱中症になるところでした」 「あらあら、それは大変だったわね」 プイッとそっぽを向きながら一央さんがタオルで顔をごしごしと拭いた。 「これは余計なことかも知れないけど、年上を呼び捨てにしないほうがいいんじゃないのかしら。それにコウジにぼこぼこに殴られなかったのは誰のお陰か、胸に手をあててよく考えるのね。酔っ払っていたとはいえあなたは皆の前で光希さんを侮辱した。妹の茉弓さんが怒るのも当然よ」 紫さんに正しいことを言われ反論すら出来ない一央さん。説教はもう聞きたくないと耳を手で塞いでしまった。

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