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番外編七夕

「未知さんもどう?」 腕を両手で掴まれた。 「僕ですか?」 「えぇ。両親もあなたに会いたがっているわ」 「茉弓、未知には赤ちゃんと小さな子供がいるんだよ。無理を言わない」 光希さんも茉弓さんが相手だとどうも調子が狂うみたいだった。 「茉弓さんここにいたんだ。やっと見つけた」 ナオさんが顔を出した。 「ナオ、久し振り」 「昨日幼稚園で会ったばかりだよ」 「あら、そうだっけ?もうやだ。最近忘れっぽくてね。ごめんね」 彼から聞いた話しでは昔信孝さんを巡り三角関係にあった二人。わだかまりがとけて今では仲のいい友達になった。 「晴と未来を幼稚園に送っていったら翔さんに会って。兄に会いに行ったのはいいが何事もなければいいが心配だっていうから様子を見にきたんだ」 「今回ばかりはどうしても見過ごすことが出来なかった。それだけよ」 茉弓さんはあっけらかんとしていた。 「兄さん、一央さんにもし会えたら渡してほしいと柚さんから預かってきたものがあるんでしょう?兄さんが渡せないなら私が渡してくるけど」 「なんでそのことを……」 「兄さんのまわりには心配症のひとがやたらと多いものね」 クスクスと笑う茉弓さん。 「心配しないでいいよ。預かって来たのは離婚届じゃなくて手紙だから。一央さんは調停に一度も姿を現していない。裁判所からの再三の呼び出しにも応じていない。子どもたちのこれからを話し合いたいのにそれが出来ない」 「結局、柚さんはどうしたい訳?」

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