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番外編 盆踊り大会

「うんとまぁ元気なあんちゃん達だごと。あんべが悪くて寝ているややこがいるんだ。静かにしっせ。せづね!」 三十分以上玄関先で大声で騒ぐ客人にずっと我慢をしていた斉木先生の堪忍袋の緒が切れた。 「切ないって言ったのか?」 「違う。先生はうるさいって言ったんだ。さっきも言ったがここにはお前さんの探し人はいない。他をあたってくれ」 「すぐにバレるような下手な嘘をつくな。ここにいるって聞いたぞ」 「誰に聞いたんだ」 「答える必要はない」 度会さんと押し問答をする男性。あの野郎、組の金を持って飛びやがった。話しの内容から吉柳組の幹部みたいだった。 「頼むから騒ぐなら外でしてくれ」 頬に生々しい傷が残る目付きの鋭い男に怯む斉木先生ではない。毅然と言葉を発した。 「そうか、あんたがかの有名な斉木先生か。なるほどな、噂通りだ。一度でいいからあんたに会いたかったんだぜ」 男がニヤリと笑った。 「俺は一介のただの医者だ。こだ所で油を売っている暇があるなら、とんずらした舎弟たちを探しに行ったらどうだ?鷲崎さんがおめさんらの組長をしていたころ、よその組と揉め事もなく、横柄な態度を取る舎弟もいなくて、一番良かった」 ふてぶてしい態度をとる男に斉木先生が苦言を呈した。

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