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番外編盆踊り大会

「あなたの子分たちの傍若無人な振る舞いは目に余ります。これを見ても分かりませんか?」 「これは?」 「七月八日駅ビル内で撮影されたものです。たまたま偶然居合わせた家族連れにいいががりをつけて脅しているこの男、あなたの探している人でしょ?ネットで検索をかけたらSNS内でかなり拡散されていましたよ」 玲士さんの言葉に動揺する男。 「もしかして初めて知りましたか?兄貴の機嫌を損ねないように、菱沼組の幹部と接触したあといなくなった、適当に話しを作って、都合の悪いことは報告しなかったのでしょうね」 玲士さんが男の手を払いのけた。 「俺のオヤジを甘く見ないほうがいいですよ。あなた、吉柳さんっていうんですか、へぇ~~組長の婿殿ですか。俺と同じだ」 「さっきから黙って聞いていればつけあがりやがって。適当なことを言ってんじゃねぇぞ。縣一家のパシリの癖に」 男が怒りをむき出しにして玲士さんの胸倉を掴もうと手を伸ばしたら、 「彼の言っていることは本当だ」 いつの間にか二人の隣に立っていた柚原さんが男の手首を掴んだ。 「吉柳さん、揉め事は困ります」 「おめさんが悪いんじゃない。不始末をしでかした、その若い衆たちが悪い。そうだろ?おめさんも大変だな。尻拭いばかりで」 柚原さんの言葉に吉柳組の幹部の顔つきが変わった。

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