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番外編盆踊り大会
「若い衆たちの教育はどうなってんだ!という路線で攻めると、吉柳組の幹部をますます怒らせ、下手すれば抗争の危機にもなりかねない。悪いのは、このガキと、若い衆たちをエスケープゴートにすれば、吉柳組の幹部も穏便に済ませたいから、ドンパチ回避を狙って、柚原の側に立つ」
蜂谷さんが分かりやすく説明してくれた。
「いつもと違ってかっこいいな。ここに橘がいたら惚れ直すんじゃないか」
青空さんがクスリと笑った。
「確かにそうだな。専業主夫は世を忍ぶ仮の姿だからな」
蜂谷さんもクスリと笑った。
「鷲崎まで敵に回すと面倒だ。邪魔したな」
吉柳組の幹部が足早に帰っていった。
「いやぁ~~二人とも良かった。惚れ惚れした」
興奮してうっとりする斉木先生。
玲士さんも柚原さんを羨望の眼差しで見ていた。
「兄貴たちみんなすごいな。俺、どこまでもついていきます!」
「熱くなりすぎるのもほどほどにな」
男と入れ違いに姿を現したのは森下さんだったから驚いた。
「吉柳が妙な動きをしているとオヤジの耳に入っていて、それで様子を見に来た」
「とかなんとか言って本当は久弥に会いに来たんだろ?」
「なわけないだろ?柚原と違い、仕事とプライベートはきちんと分けているんだ。一緒にしてもらっては困る」
「へぇ~~そうなんだ」
ニヤリと笑う柚原さん。
「そうやって疑いの目で見るな」
痛いところをつかれギクッとする森下さん。
ちょうどその時だった。
「あれ?森下さんだ」
タオルを両手で抱えた久弥さんが廊下から声を掛けてきたのは。譲治さんも一緒だった。
「久弥!」森下さんの表情が緩み、久弥さんのところに駆け寄った。
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