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番外編盆踊り大会

「裕貴と遼に弓削の警備を頼むか」 彼が枕元に置いてある携帯を伸ばそうとしたら、 「貴方よりも未知さんから頼まれたほうが何倍も喜びます」 「いちいち言われなくても分かっているよ。未知に頼もうとしたんだろうが」 すっかり不貞腐れてしまった彼から携帯をぽんと渡された。 「遥琉、右手が妙に不埒な動きをしているようですが気のせいですか?」 橘さんの一言にギクッとする彼。 そういえば太惺と心望に障子をぶりぶりと破られたんだっけ。さっさと貼り直せば良かった。独り言のようにぶつぶつと呟きながら腰のあたりをぺたぺたと触っていた手を慌てて引っ込めた。 遅い時間だから電話を掛けたら迷惑だと思いメールを二人に送信したらすぐに返信が来た。一分も経たずひろお兄ちゃんから電話が掛かってきた。 「出ないのか?俺に遠慮せずに出たらいいだろ?」 「ひろお兄ちゃん、怒ってはいないけど、かなりご機嫌斜めだと思うの」 「何でそう思う?」 「光希さんだけじゃなく森下さんもいるから、きっと面白くないはず」 「いい年した大人の癖に中身は子どもだからな。俺も人のことを言えないがな」 ニヤリと笑うと僕の変わりに電話に出てくれた。 弓削さんの居場所をしつこく嗅ぎ回っている男がいると聞いて警備を強化したところだ。ひろお兄ちゃんもりょうお兄ちゃんも上田さんの狙いが弓削さんだということに気付いていたみたいだった。

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