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番外編盆踊り大会
「早めに退院させて福島《そっち》に帰らせる。腕っぷしのいいのを弾よけにつける。裕貴はそう言っていた。弓削のことだ。帰る頃になって帰りたくないと間違いなく駄々を捏ねるからヤスと柚原を迎えに行かせる。三人で積もる話しもあるだろ?」
未知にさっさと代われ!携帯からひろお兄ちゃんの声が聞こえていた。
「遥琉さん、電話……」
「電話?あぁ、そうだった。すっかり忘れていた」
抗議する声にニヤリと笑う彼。
「冗談だ。代わるから待ってろ」
彼から携帯を渡された。
ひろお兄ちゃんとりょうお兄ちゃんから話しを聞いた弓削さんから彼に電話があったのは翌朝のことだった。
「ごじゃごじゃと余計なことを考える暇があるならさっさと福島に帰ってこい。未知の弾よけ、他のヤツに取られてもいいのか?そんなに寝れないならこっちに帰ってきてからゆっくりと体を休めればそのうち寝れるようになるんじゃないか?なんなら遥香に子守り歌でも歌ってもらうか?効果覿面だぞ」
物陰からヤスさんが心配そうに様子を伺っていることに気付いた彼。
「首を長くしてみんな弓削の帰りを待っている。久弥もヤスも心配しているし、柚原もお前がいないと素っ気ないと言っている。帰ってこい」
名前を出され恥ずかしくなったのかささっと隠れてしまった。
「なにも隠れることないのにな……いや、何でもない。一人言だ」
そんなヤスさんを見て彼がくすりと笑った。
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