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番外編コウジさんの昔の仲間
「妹の頼みはすなわち俺の頼みでもある。なんで妹の言うことが聞けないのか。とでも送信されてきたんでしょうね。見ている分には楽しいんですが、とうの本人は大変だと思います。縦社会、上下関係も厳しいですからね。若いのに弱音を吐かずよく頑張っています。偉いですね。コウジさんに一服するように言ってください。今なら素直に聞きますよ」
橘さんからいつも握る倍の大きさのお握りをぽんと渡された。
「コウジさん、少し休憩しませんか?」
驚かせないようにお握りをそっと差し出した。
「み、未知さん」
ぎくっとするコウジさん。
「数々のご無礼どうかお許しください」
額を床に擦り付けて平身低頭謝られ、
「顔をあげてください」
まさか謝られるとは思ってもみなかったから僕のほうが驚いてしまった。
「忘れていた訳ではないんですよ。本当にすいません」
「気にしていません。それよりもご飯を食べて下さい。朝御飯まだですよね?」
「まだですけど……」
そこで言葉を止めると心配そうに眉を寄せた。でもやっぱり持ち場を離れる訳には……うんうんと悩んだ末、柚原さんに二人を頼んで居間へと移動した。
「これがトイレに貼ってあった。園も全く気付いていなかった。盆踊りにみんなの目が向いている隙を狙いこれを貼ったんだろうな。誰も気づかずスルーしていたが奏音には効果てきめんだった」
「悪戯にしてはたちが悪い。どうせ貼るんだったらアイドルや幼児番組のキャラクターにすればいいのにな」
柚原さんとコウジさんが携帯の画面を眺めながらなにやらそんな会話をしていた。
「あ、あの……」
どうしても気になって。おっかなびっくり声を掛けた。
「盆踊りの写真見ますか?めんごいですよ」
「いえ、違います。トイレに何が貼ってあったのかなって……」
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