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番外編コウジさんの後輩

「シェドと頭の禿げたおっさんの写真を引き伸ばしてポスターにしたものが貼ってあったんです。悪趣味にもほどがある。見ますか?」 携帯の画面を見せてもらった。 「この人が湯山さんっていう人ですか?」 「恐らく」 「いかにも悪党っていう面構えならすぐこいつが湯山って特定出来るんだが、ぱっと見人の良さそうなごく普通のサラリーマンだろ?何も知らない人から見たら親子だと思うはずだ」 ヤスさんの言う通りだ。どんなに善人を装ってもいても誤魔化せないものがある。顔はにこにことまるでえびす様のように笑っているけど、目はシェドと同じように鋭くて怖いとさえ感じた。 「でもこの人、獲物を狙う蛇のような目をしている。一度目をつけられたら最後。命はない。そんな圧さえ感じる。僕が怖いって感じるんだもの。実際彼を見た奏音くんはもっと怖かったはずです」 「余計なことを喋るんじゃねぇぞ。子どもを脅してピーピー泣かせて。何が楽しんだか。シェドの周りにはろくな男がいない」 ヤスさんが声を荒げた。 「その写真俺も見たよ」 中から光希さんの声が聞こえてきた。 「奏音は目が怖いって急に怯えだしてその直後に倒れた。俺も背筋が寒くなった。湯山っていったい何者なの?もしかしたら紫竜よりヤバい人なんじゃない?」

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