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番外編コウジさんの後輩

「小中学生に絶大な人気を誇るゲームの実況者とのコラボだから転売ヤーが暗躍している。彼らの狙いはまだ出ていない一等とラストワン賞だろうよ。あと少しでくじが完売だ。番号を間違えたらまたペナルティーだ。そう店員が話していた。そうだろ?」 「あぁ、間違いない」 片言の日本語を話す留学生アルバイトが二人レジ打ちをしていた。母国語で話せば何を話しているかちんぷんかんぷんだけど青空さんは聞いていないようで二人の会話をしっかりと聞いていた。 おじいちゃんは煙草を買いに来たみたいだった。なかなか前に進まないレジ待ちの列にイライラし、レジの人たちと言葉が通じなくてイライラし、あんたらでは話しにならん。他の店員を出せと声を荒げた。 優輝くんはビクビクして蜂谷さんたちの後ろにずっと隠れていた。 「プロ顔負けのなかなかの演技力だ。あんな隠し玉をあのシェドが持っていたとはな。たいしたもんだ。さすがは教祖さまだ」 「感心している場合じゃないぞ。駐車場を見てみろ」 蜂谷さんが外を指差した。 「俺らいつからモテモテになったんだ?参ったな、俺ら伴侶と相棒とねえさん以外は興味がないぞ。お生憎様」 青空さんの言葉に一瞬だけきょとんとするめぐみちゃんと優輝くん。 「どうした?なんか変なことを言ったか?」 「いえ、青空さん日本語が上手になったなって、そう思ったんです」 「そうか?随分と嬉しいことを言ってくれるじゃないか」 青空さんが相好を崩した。

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