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番外編コウジさんの後輩

「日本語って難しいな。改めて思うぞ」 「そうだな」 蜂谷さんの忠告はどこ吹く風か。 「おめさんもしかしてしおか?久し振り。いっきゃうの何年振りだべ。にしゃなんでまたこだ所にいんだ?」 過足さんは自分から声を掛けていた。 「もしかして過足か?」 やや間を置いてから男がようやく口を開いた。 「うだ」 「五年……いや、もっとだな。元気だったか?」 「しおも元気そうでよかった」 二人は再会した喜びを爆発させていた。 まわりはというと冷たい目を二人に向けていた。警察にマークされるから目立つ行動は極力控えろとでも仲間から言われていたのだろう。ひんしゅくを買っていた。 「後ろにいんのおめさんの仲間か?苦み走ったあんにゃばっかだな。しお、コウジ兄貴の言葉を忘れんなよ」 男たちにどんなに睨まれても過足さんはまったく気にせず飄々としていた。肝が座っていた。ピロピロピロとコンビニエンスストアの出口の呼び鈴が鳴りおじいちゃんが杖をつきながらよたよたと出てきた。 「しお、またな」 過足さんは本能的にこのおじいちゃんがただ者でないと察していた。荷台からトウモロコシが入った段ボールを下ろすと駐車場で待機していた壱東さんのところへ運んだ。

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